忍野草刈り唄

 唄 不詳
 

1 ハアーナー
  朝草刈れば ハアー
  殿やせる 
  鎌切れろ
  刈らずとたまれ ハアー
  寄せ草


2 ハアーナー
  夕べの茶屋の ハアー
  てご娘 ハアー
  花ならば
  一枝折りて ハアー
  土産に


3 ハアーナー
  思わば切れろ ハアー
  桶のたが
  いま一度
  呼びたい江戸の ハアー
  
桶屋

南都留郡忍野むらに伝わる草刈りの作業唄である。

甲府盆地一帯で歌われた「田植え唄」や「田の草取り」と同系の唄と考えられている。
昔化学肥料が未だ普及しない頃、作物の肥料として、また家畜の飼料としての草刈りは、男たちの夏場の重要な作業であった。

明けの早い夏、未明のうちに起きだして、朝露を踏んでの山に行き、終日草刈り作業に励み、夕方刈り草を束ねてうまの背につけて帰る。こんな昔日の光景が浮かんでくる。