恩賜林の沿革

明治の末、本県では大水害が相次ぎ、このため県民は、大変苦しい生活を余儀なくされていました。この様子を知った明治天皇は、明治44311日、県下の御料地のうち164ha(台帳面積約298,200町歩)を県民の暮らしの復興のため、本県に御下賜されました。これが県有林の基となっており、一般には恩賜林と呼ばれています。県土の約3分の1を占める恩賜林は、先人達のたゆまぬ努力により守り育てられ、県土の保全や、林産物の供給を通じて、本県の発展に大きく貢献してきました。さらに近年では、森林の有する安定した水資源の確保や人々に潤いと安らぎを与える効果など様々な機能も重視されています。また、平成23311日に御下賜100周年を迎えたことから、これまで恩賜林の果たしてきた役割や歴史を再認識するとともに、多様な公益的機能を有する森林を県民全体で守り育て、次の世代に引き継ぐための契機となるよう、平成2223年度にかけて「恩賜林御下賜100周年記念事業」を実施しました。

  恩賜林記念日の歌

 作詞・堀田 静 作曲・弘田龍太郎
    
      
     唄 飯野保子
  山崩え水は逆巻きて
  うまし田畑を押し流し
  うつろひかはる国原や
  茂る民草いるあせぬ

  御恵み深き大君は
  御心いたくなやまされ
  御料の林いとさわに
  下し給ひし畏こさよ
  
  青垣山の色深き
  甲斐のおす国ゆるぎなく
  栄ゆる御代の千代八千代
  君の御恵み仰ぐかな

甲府舞鶴城にそびえる恩賜林記念の謝恩塔(矢印のところ)