1 泣いて昔が 返るなら
なんで愚痴など 言うものか
花のいのちは 一度だけ
よしておくれよ 気休めは
「なにもかもおしまいなんだ。でもさ、
わたしゃわかっていたのさ。どんなに男を憎んだって、女は女、女ひとりじゃ暮らせないってことがさ。世の中を渡り歩いて、
しみじみそう思ったんだよ。わたしだって女だものねぇ」
2 夢も見ました 恋もした
二世を誓った 人も居た
娘ごころの 紅つばき
どこでどなたが 折ったやら
「ハリスさんも死んだ。鶴さんも死んだ。
今度は私の番なんだ。今のわたしは、穴のあいた三味線みたいなものなんだ。どんなにつくろって見たって、もう昔の
音(ね)なんか出やっしない。…お酒だよ。お酒をおくれッ!」
3 辛い浮世の 路地うらで
毒と知りつつ 呑むお酒
下田港の お月様
明るすぎます お吉には |