木食白道の歌 作詞・小林一雄 作曲・一瀬公弘 唄 徳良夫美 |
1.甲斐の名峰 大菩薩 生まれ育った ふるさとの 木食白道 仏門に わが父したい 巡礼の 諸国の寺に 修業旅 2.人の心を 救うため 恵比寿大黒 百観音 子安の地蔵と 彫仏に 庶民の祈り 呼びかけて 安らぐ姿 微笑仏 3.木の実草の実 木食戒 悟り開いて 身仏の 寺から寺へと のみ一丁 いちずに刻む 芸術僧 名作今も 世に残る |
満面の笑みを浮かべるほとけたち。見る人を幸せな気持ちにさせずにおかない、愛らしいほとけの数々を刻んだのは、山梨出身の白道という木食僧です。
白道は、宝暦5年(1755)、甲州山梨郡上萩原村(現甲州市塩山上萩原上原)に生まれました。幼くして出家し、父とともに巡礼の旅に出立、故郷をあとにします。のちに同じく甲州巨摩郡丸畑(現南巨摩郡身延町)出身の木食僧・行道(木喰五行、明満)との出会いによって、自らも木食僧となったのです。
師である行道は、「微笑仏」を数多く残したことでよく知られています。白道は、北海道から東北、関東地方にかけて、行道とともに廻国修行を行い、行道が仏を彫り始める、まさにその時をともに過ごした弟子です。ときには師弟で鑿をふるい、行道と別れて甲州に戻ってからも、作仏を続けました。師の行道にくらべ、その生涯と作仏について明らかでない部分が多いといわれる白道。