甲州盆唄

唄 加賀美絹子

1身延の者は声がよいよい筈だソレ
 南天山の 水のむ
 ドッコイ 南天山の水のむ


2何たる江戸の絵描きでも平岡のソレ
 ゆずの木ゃ 絵には描けまい
 ドッコイゆずの木ゃ絵には描けまい


3甲府の城の金桜 夜も咲くソレ
 昼間も咲いて 実がなる
 ドッコイ 昼間も咲いて実がなる


4市川文殊知恵文殊 女にゃ針ソレ
 男にゃ 硯 墨紙
 ドッコイ 男にゃ硯墨紙


5一番鶏に家をでて 夜明けにはソレ
 石和の宿で まごまご
 ドッコイ石和の宿でまごまご


6富士山よりも八ヶ岳 八ヶ岳ソレ
 麓は殿の 御在所
 ドッコイ麓は殿の 御在所

山梨県内には、多数の盆踊り唄
があるが、身延町下山に伝わる
唄を編曲し、昭和三十年頃甲州
を代表する唄として統一し、甲州
盆唄としてレコードされた。
愛唱歌の大塚文雄と聞き比べる
のも面白いと思う