市川楮打ち唄 |
1 オオオ ヤレヤレヤレヤレ ソーダヨ ソーダヨ アドッコイサノサ かぞ草打ちに 頼まれて打つも嫌 打たぬも 義理のわるさや 2 オオオ ヤレヤレヤレヤレ ソーダヨ ソーダヨ アドッコイサノサ 市川文殊 知恵文殊 女にゃ針 男にゃ 硯 墨 筆 3 オオオ ヤレヤレヤレヤレ ソーダヨ ソーダヨ アドッコイサノサ 芦川土手が 切れたなら市川じゃ 紙漉糟で 漕ぎ出す 4 オオオ ヤレヤレヤレヤレ ソーダヨ ソーダヨ アドッコイサノサ 七月過ぎて 盆過ぎて 市川の 花火の場所で 逢いやしょう 5 オオオ ヤレヤレヤレヤレ ソーダヨ ソーダヨ アドッコイサノサ 市川焼けた みな焼けた御陣屋が 残りて 名主ゃし合せ |
楮打ち唄は、西八代郡市川大門町で、和紙の製造こうていである
楮の樹皮を煮て臼でつく時の作業うたである。
「かぞ」は「こうぞ」の訛ったもの。楮は高さ三メートルにも及ぶ落葉潅木で、くさではない。
唄いだしのところで「楮草打ち」と唄ったのは、盆地一円でうたわれた「田の草取り唄」の《田の草取りにたのまれて》の歌詞をかりたのでこのように歌ったものとおもわれる。
この唄は、市川大門町の村松徳右衛門さん(故人)が歌ったものの録
音がのこされており、それを元にして復元したのだと思われる。