懐かしい昭和の高校生の放送劇作品3点
昭和37年の夏は暑かった。当時の高校生には夕方仕事を終えてから午後9時まで授業をする定時制の生徒が全国に数多く在籍 していた。授業終了後の40分がクラブ活動できる唯一の時間だった。
当時の呼称は勤労学徒という。もろもろの条件からこの勤労学徒となった生徒は厳しい条件の中で自分を鍛えながら精進したのであった。その中で全国にまたがる文化・体育の大会が用意されておりその大会に参加しようとの意気込みは寝食を忘れるくらいの没頭であり、昼間の仕事の疲れの中で睡魔と闘いながら製作した純情極まりない当時の音声の記録であり、当時かかわった生徒や関係者にとっては生涯の宝物であり、世界に2つとない貴重な音源である。
NO1
昭和37年夏の全国高校定時制軟式野球大会(於:神宮球場)での山梨代表を射止めた野球部の、全国制覇までの過程の記録と実況録音による録音構成である。 この作品は、昭和37年の第5回全国民間放送連盟主催の全国高校ラジオ作品コンクールに参加し山梨県代表・中部地区大会佳作入賞作品である。
録音構成「日本一の野球部」
NO2
昭和38年に第6回全国民間放送連盟主催の全国高ラジオ作品コンクールに参加し、山梨県代表作品となった作品で、勤労学徒の卒業時の就職での悩みを新一と幸子という勤労学徒を通して取り上げ、小規模事業所に於ける雇用の実態と難しさを材題として問題を提起した作品でもある。
放送劇 「星」
NO3
昭和40年に第8回全国民間放送連盟主催の全国校ラジオ作品コンクールに参加した放送劇で、、沢ノ井千江兒氏作詞・上条たけし氏作曲の歌『雪山に消えたあいつ』を材題にしたような作品です。,交通事故で入院した、勤労学徒が事故が原因による失明を悩み、ついにはその身を雪山に消してしまうのです。ドラマの中を流れるギターは当時の演出担当の加藤健司氏が作曲・演奏したもので、いま聞いても中々素晴らしい旋律であり、貴重な音源である。
放送劇 「光」