江戸時代中期に諸国を行脚し、微笑をうかべた仏像を各地に数多く残した木喰上人。その仏像は「微笑仏」と呼ばれ今も人々の心を和ませます。昭和六十一年(1986年)に開館した木喰の里微笑館にはその仏像たちのレプリカや木喰上人の古文書などが展示されている。ビデオ上映は木喰上人の足跡を紹介したビデオを放映している。
木喰さんのお生まれは山梨県丸畑村、身延山に近い寒村です。田圃も無く瘠せた土地です。
薬の行商人に従って江戸に上京しましが、それから苦労します。
得度し、木喰行に励み、何かのきっかけで造像活動を始めます。
生涯1000体の仏像を彫る、大願をたてます。
仏師として名を上げると、故郷の丸畑村から呼び戻されます。
そこの「四国堂」に88体の造像を依頼されます。
四国お遍路は甲府では無理です。
ならば、当地に88体の観音様をお祀りし、居ながらにしてお遍路をしよう、としたわけです。
で、木喰さん最大の造像が完成したのでした。
1802年85歳の時でした。
木喰さんはまた旅に出ます。
旅先で鑿を振るい、民衆の期待に沿って仏像を彫って回ります。
1000体の造像目標は、いつしか達成し、新たに2000体を大願します。
全国を旅して、93歳で没します。終焉の地は不明ですが甲府での造像が最後でした。