朝日山城について
朝日山城は山梨県北巨摩郡高根町の清里高原の玄関にあたる北割りにある小高い茶臼形の山である。
　佐久信濃攻略には最も戦略的価値のあった砦である。
高根町の一角に斯くも雄大な、歴史的な背景をもった史蹟朝日山城があった。
　嗚呼　憶えば1100年代源の義光が甲斐守になったのが発端で、甲斐国史古墳部「相伝フ義光ノ城蹟ナリト云フ村西ノ山上ニ旧塁三所アリ・・」朝日山城は義光の仮の居城であった。
　累蹟の三所は谷戸・若神子・朝日山城である。やがて源氏から武田時代、信濃佐久攻略に大きな役絵割を果たし、風林火山と武田菱を甲信の山々に鳴動させたが、天正10年3月天目山田野の里に、武田はついに滅び朝日山城は嗚咽し、山桜はふくらみ散った。　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中島兵一　記