土屋朱帆
篠原理恵
ありがとうクニマス |
1 七十年振りに さかなクン 甲斐の西湖に 生きていた 素敵ないのちを 学ぼうよ 色の黒さも たくましい クニマス クニマス ありがとう 2みちのく秋田の 田沢湖で 育ち西湖に 移住ついた きずなのご恩を 語ろうよ こころさわやか 水かがみ クニマス クニマス ありがとう 3霊峰富士山 あおぎみて 夢を西湖に 浮かばせた 平成いまこそしあわせよ およぐ希望に 陽がのぼる クニマス クニマス ありがとう |
秋田県の田沢湖で絶滅したと思われていたクニマスが西湖(富士河口湖町)で70年ぶりに確認され、漁協関係者や町は保護のあり方などの検討を始めた。三浦保明西湖漁協組合長(61)は16日、「この魚を今後どうしていかなければならないのか。責任と、うれしさの半々だ」と複雑な心境を語った。
来年3月20日の漁の解禁までに、クニマスを保護するための禁漁区域を指定する検討に入った。最も繁殖しているとみられる区域とその周辺だ。それまでの間、釣り人がクニマスらしき魚を釣った場合は漁協に譲ってもらい、関係機関で調べるという。
漁協の組合長は「この景気の悪いときにお宝が発掘された。生かすかどうかは漁協次第。地域のことを考えたら、できるだけいい形を取っていきたい」。
一方、町は15日、保護などを検討するプロジェクトチームを立ち上げた。政策局はじめ企画、農林、環境の各課職員と漁協の組合長ら計6人は、クニマスであることを突き止めた京都大学(京都市)の中坊徹次教授を訪ね、詳しい生態や保護についてのアドバイスを受けるという。
西湖の近くに住む町民は「西湖で『クロマス』といわれている魚は産卵期に黒っぽくなるヒメマスだと思っていたが、今回発見されたクニマスだったのか……」と上気した表情で話した